無自覚姫は今日も美形集団を纏わせる
play game!!
えっと・・・葵華は恋バナがしたい・・・の・・・かな?
葵華の自室に連れていかれ、1人掛けのふかふかのソファを勧められる。
対して葵華は向かいの2人が家のソファに腰を掛け、メイドさんに紅茶とお菓子を出させていた。
す、すごい・・・。
人の扱いに慣れてる・・・さすが(?)お嬢様。
「今回はレモンティーをお持ちいたしました。こちらの焼き菓子は本日お焼きいたしたものです」
紅茶とお菓子を持ってきたメイドさんは終始ニコニコと私たちを眺めながら「失礼します」と去っていった。
「さぁ・・・まず私のお聞きしたいことをいいですか?」
「うん、どうぞどうぞ。なにかな?」
「では・・・兄様とは兄様の転校で出会われたのですよね?」
「そうだね。教室が同じで席が隣だったんだ」
「わぁ・・・恋愛小説でよくありますよね!」
「そ、そうかな・・・?」
食いついてくる葵華に、彼女の印象が変わった。
ずっと無表情で、葵厘の偽り版と似てるなぁと思ってたんだけど・・・。
「最初に素顔を見られたのですよね?どのような背景ですか?」
「そうだねぇ・・・たしか・・・」
私は前の記憶を必死に呼び戻し、説明を始めた。
「えっとぉ・・・ね・・・。転校初日にお昼ごはんに誘われたんだよね。その時に空き教室に入って・・・」
「空き教室・・・!兄様、恋愛小説の鉄板のことばかりですが勉強でもしたのでしょうか・・・?」
勉強って・・・。
恋愛指南書・・・とかのこと・・・?
いやいや、そんなものないだろうし・・・ウン。
・・・多分。
「それで、そのあと、どうやって素顔を見たのですかっ?」
「ん-・・・お弁当食べていたら・・・葵厘の手が乗ったんだよね」
「はい、そして?」
「それで、教室で見たときの葵厘はそんなことしなさそうだなぁって思って見たら・・・素顔の葵厘がいた?って感じ」
そう言って、満足したかな?と葵華を見ると。
・・・とても大きく頷いていらっしゃました。
「その日から今までなにかされましたか?」
「それは・・・葵厘に?」
「はい!兄様にです!」
大きなお目めをさらに大きく開き、瞳をキラキラと輝かせる葵華が可愛い。。
瞳キラキラの葵華が可愛い。
大事なことなので2回言いました。
3回目も言っていいかな?・・・じゃなくて。
「・・・誰にも言わない?葵厘にも御曹司のみんなにも絶対に言わない?」
「・・・?はい、わかりました」
こくんと頷く葵華が可愛い。
こくんって!こくんって!
可愛い・・・尊い・・・抱きしめたい・・・護りたいっ・・・。
・・・おっと、今のは忘れてください、お恥ずかしい。
・・・それで?
「えっと・・・最近、一緒に映画見に行ったんだけど・・・」
「はい、デートですね!兄様わかってらっしゃいますね・・・!」
「あ、あはは・・・見たのはラブストーリーなんだけど。『明日の私へ』ってわかる?」
「もちろん。全国で今動員数1位をキープしてますよね」
すごい・・・よく知ってるな、映画とか見なさそうなイメージあるのに。
「ベタベタなラブストーリーですよね?あのアイドルとファンの。たしかスキンシップも多いですよね・・・ん?」
そこでなにかに勘付いたらしい。
ニヤニヤと笑みを浮かべながら葵華は私に続きを促した。
なんとなくわかってるはずなのにっ・・・。
「えっと・・・実は・・・。映画に出てきたスキンシップを現実で・・・」
「つまり、兄様は貸し切りにしたのですね!さすが兄様。これで目いっぱいラブラブ出来ちゃいますね」
「そ、それは・・・えっと」
なんて言えばいいんだろう・・・。
軽く『キスされちゃったんだよねー』は自慢しているように聞こえちゃう。
重く『キスされちゃって・・・』は・・・相談みたいになっちゃう。
ここは普通に、今までの口調を崩さずに行こう!
「・・・キス、されて」
「わぁぁぁぁ・・・っ!兄様、キスですか!素晴らしいですね!自慢の兄なだけあります!恋愛には奥手だと思っていましたが・・・そんな風の人が現れたら積極的かつ攻める側になるのですね・・・!」
喜んでる葵華には申し訳ないけど・・・。
「キスされてる間に私、意識失っちゃって・・・」
気分を悪くさせるだろうか。
せっかく兄のキスについて知ることができたのに相手がファーストキス&意識を失うなんて・・・。
「兄様!最高です!激しい方でしたのですね・・・!兄様は幸せですね、義姉様のような素晴らしい方がいて恋愛結婚・・・!やはり政略結婚としては憧れるものがありますよね・・・!!」
目、キラッキラ。
「あぁ、兄様が羨ましい限りです・・・!でもこれで義姉様が本当の義姉様になることが決まったも同然ですねっ・・・」
ねーさまがホントのねーさまになることが決まった・・・?
・・・どゆこと?
「未来が楽しみです!もうすぐですね!うふふ、うふふふふ・・・」
き、葵華・・・?
笑顔が怖いよ、『貴婦人みたいで美しい・・・絵画から飛び出してきたみたいだ!』とはならないよ、私は芸術家じゃないからね。
「来年です・・・!」
「・・・え?なにが・・・?」
「私、今、昂月学園初等部の第6学年なんです・・・!!」
うんうん、詳しく言ってくれてありがとう。
でもね、第6学年じゃなくて『初等部』って言ってるんだから6年生でいいんだよ。
「来年、中等部で兄様や義姉様と同じ校舎で過ごすことができるのです・・・!」
「・・・っ」
どう、しよう・・・。
私は来年どころか半年後にもういない。
どう伝えるべき?
どう・・・。
「あの・・・ね?葵華・・・」
「はい、なんでしょう」
目をキラキラさせていた葵華はピクリと反応し、こちらを見た。
「私・・・引っ越すの」
「・・・はい?どうされたんですか、急に・・・」
「半年後・・・ここを離れるんだ。だから思い出作りにって・・・みんなが提案してくれたのが・・・」
「・・・この『お泊り会』というものなのですね・・・?」
え、なんでわかるの。
さっきまで信じてなかったじゃん。
まぁ、合ってるからなにも言わないけど。
「そうなのですね・・・いえ、また連れ戻して見せますとも・・・!兄様のため、そして私自身が後悔しないため!引き戻して立派な結婚式を開かせて見せます・・・!ドレス選びは私も携わっていいでしょうか?義姉様は色が白いですし、儚い感じがするのでパステルカラーですかね。兄様はやっぱり金色・・・?お花はどうしましょう。花言葉で考えると・・・。桔梗ですね!」
桔梗かぁ・・・花言葉って確か『永遠の愛』『誠実』『清楚』『従順』だっけ・・・。
・・・じゃなくて!
「き、葵厘ー・・・?ちょ、ブツブツ言うのやめよ?ちゃんと話しよー・・・?」
「はっ・・・義姉様・・・!これはこれは、申し訳ありません。あの、思い出作りでしたら私も協力してもいいでしょうか?」
「あ、戻ったね。・・・え、協力?」
「はい、KneeSam(二―サム)って知ってますか?」
「にー・・・さむ?」
ってなんだろう。
ハンサム・・・?ではなさそう。
あと最後に『サム』がつくものー・・・。
うん、思いつかない!
最初だったら参鶏湯(サムゲタン)があるけど絶対違うよね、ハンサムも。
「KneeSamっていうのは蒼鷺グループの傘下のゲーム会社です。最新のVRを使ったゲームを開発したんですよ」
「そうなんだ・・・ゲームとかあまりやらないからなー・・・。で、そのにーはむがどうしたの?」
「『にーはむ』ではありません、『にーさむ』です」
「あ、ごめん」
やばい、間違えちゃったー・・・。
「・・・話を戻しますが、KneeSamが作った最新ゲームをやりませんか?楽しいですよ」
「いいね、最高の思い出になりそう!・・・どんなゲームなの?」
「異世界転生ゲームです。床がウォーキングマシンになっていて、VRを付けた人が動くと作動するんです。だからどれだけ歩いても壁にぶつかる心配はなし!・・・どうですか?」
「あー・・・うん、すごいね。・・・どんなゲーム?」
「あっ・・・すみません、ゲーム内容ですね。・・・異世界に転生して、生き抜くゲームです。無人島から始まり、街に行くもよし、無人島でのんびり過ごすのもよし、冒険者ギルドで採集や討伐をしてもよし・・・。魔獣に懐かれて契約し、テイマーとして生きたり、パーティを組んで仲間を増やしたり・・・。ごく稀に・・・」
葵華の自室に連れていかれ、1人掛けのふかふかのソファを勧められる。
対して葵華は向かいの2人が家のソファに腰を掛け、メイドさんに紅茶とお菓子を出させていた。
す、すごい・・・。
人の扱いに慣れてる・・・さすが(?)お嬢様。
「今回はレモンティーをお持ちいたしました。こちらの焼き菓子は本日お焼きいたしたものです」
紅茶とお菓子を持ってきたメイドさんは終始ニコニコと私たちを眺めながら「失礼します」と去っていった。
「さぁ・・・まず私のお聞きしたいことをいいですか?」
「うん、どうぞどうぞ。なにかな?」
「では・・・兄様とは兄様の転校で出会われたのですよね?」
「そうだね。教室が同じで席が隣だったんだ」
「わぁ・・・恋愛小説でよくありますよね!」
「そ、そうかな・・・?」
食いついてくる葵華に、彼女の印象が変わった。
ずっと無表情で、葵厘の偽り版と似てるなぁと思ってたんだけど・・・。
「最初に素顔を見られたのですよね?どのような背景ですか?」
「そうだねぇ・・・たしか・・・」
私は前の記憶を必死に呼び戻し、説明を始めた。
「えっとぉ・・・ね・・・。転校初日にお昼ごはんに誘われたんだよね。その時に空き教室に入って・・・」
「空き教室・・・!兄様、恋愛小説の鉄板のことばかりですが勉強でもしたのでしょうか・・・?」
勉強って・・・。
恋愛指南書・・・とかのこと・・・?
いやいや、そんなものないだろうし・・・ウン。
・・・多分。
「それで、そのあと、どうやって素顔を見たのですかっ?」
「ん-・・・お弁当食べていたら・・・葵厘の手が乗ったんだよね」
「はい、そして?」
「それで、教室で見たときの葵厘はそんなことしなさそうだなぁって思って見たら・・・素顔の葵厘がいた?って感じ」
そう言って、満足したかな?と葵華を見ると。
・・・とても大きく頷いていらっしゃました。
「その日から今までなにかされましたか?」
「それは・・・葵厘に?」
「はい!兄様にです!」
大きなお目めをさらに大きく開き、瞳をキラキラと輝かせる葵華が可愛い。。
瞳キラキラの葵華が可愛い。
大事なことなので2回言いました。
3回目も言っていいかな?・・・じゃなくて。
「・・・誰にも言わない?葵厘にも御曹司のみんなにも絶対に言わない?」
「・・・?はい、わかりました」
こくんと頷く葵華が可愛い。
こくんって!こくんって!
可愛い・・・尊い・・・抱きしめたい・・・護りたいっ・・・。
・・・おっと、今のは忘れてください、お恥ずかしい。
・・・それで?
「えっと・・・最近、一緒に映画見に行ったんだけど・・・」
「はい、デートですね!兄様わかってらっしゃいますね・・・!」
「あ、あはは・・・見たのはラブストーリーなんだけど。『明日の私へ』ってわかる?」
「もちろん。全国で今動員数1位をキープしてますよね」
すごい・・・よく知ってるな、映画とか見なさそうなイメージあるのに。
「ベタベタなラブストーリーですよね?あのアイドルとファンの。たしかスキンシップも多いですよね・・・ん?」
そこでなにかに勘付いたらしい。
ニヤニヤと笑みを浮かべながら葵華は私に続きを促した。
なんとなくわかってるはずなのにっ・・・。
「えっと・・・実は・・・。映画に出てきたスキンシップを現実で・・・」
「つまり、兄様は貸し切りにしたのですね!さすが兄様。これで目いっぱいラブラブ出来ちゃいますね」
「そ、それは・・・えっと」
なんて言えばいいんだろう・・・。
軽く『キスされちゃったんだよねー』は自慢しているように聞こえちゃう。
重く『キスされちゃって・・・』は・・・相談みたいになっちゃう。
ここは普通に、今までの口調を崩さずに行こう!
「・・・キス、されて」
「わぁぁぁぁ・・・っ!兄様、キスですか!素晴らしいですね!自慢の兄なだけあります!恋愛には奥手だと思っていましたが・・・そんな風の人が現れたら積極的かつ攻める側になるのですね・・・!」
喜んでる葵華には申し訳ないけど・・・。
「キスされてる間に私、意識失っちゃって・・・」
気分を悪くさせるだろうか。
せっかく兄のキスについて知ることができたのに相手がファーストキス&意識を失うなんて・・・。
「兄様!最高です!激しい方でしたのですね・・・!兄様は幸せですね、義姉様のような素晴らしい方がいて恋愛結婚・・・!やはり政略結婚としては憧れるものがありますよね・・・!!」
目、キラッキラ。
「あぁ、兄様が羨ましい限りです・・・!でもこれで義姉様が本当の義姉様になることが決まったも同然ですねっ・・・」
ねーさまがホントのねーさまになることが決まった・・・?
・・・どゆこと?
「未来が楽しみです!もうすぐですね!うふふ、うふふふふ・・・」
き、葵華・・・?
笑顔が怖いよ、『貴婦人みたいで美しい・・・絵画から飛び出してきたみたいだ!』とはならないよ、私は芸術家じゃないからね。
「来年です・・・!」
「・・・え?なにが・・・?」
「私、今、昂月学園初等部の第6学年なんです・・・!!」
うんうん、詳しく言ってくれてありがとう。
でもね、第6学年じゃなくて『初等部』って言ってるんだから6年生でいいんだよ。
「来年、中等部で兄様や義姉様と同じ校舎で過ごすことができるのです・・・!」
「・・・っ」
どう、しよう・・・。
私は来年どころか半年後にもういない。
どう伝えるべき?
どう・・・。
「あの・・・ね?葵華・・・」
「はい、なんでしょう」
目をキラキラさせていた葵華はピクリと反応し、こちらを見た。
「私・・・引っ越すの」
「・・・はい?どうされたんですか、急に・・・」
「半年後・・・ここを離れるんだ。だから思い出作りにって・・・みんなが提案してくれたのが・・・」
「・・・この『お泊り会』というものなのですね・・・?」
え、なんでわかるの。
さっきまで信じてなかったじゃん。
まぁ、合ってるからなにも言わないけど。
「そうなのですね・・・いえ、また連れ戻して見せますとも・・・!兄様のため、そして私自身が後悔しないため!引き戻して立派な結婚式を開かせて見せます・・・!ドレス選びは私も携わっていいでしょうか?義姉様は色が白いですし、儚い感じがするのでパステルカラーですかね。兄様はやっぱり金色・・・?お花はどうしましょう。花言葉で考えると・・・。桔梗ですね!」
桔梗かぁ・・・花言葉って確か『永遠の愛』『誠実』『清楚』『従順』だっけ・・・。
・・・じゃなくて!
「き、葵厘ー・・・?ちょ、ブツブツ言うのやめよ?ちゃんと話しよー・・・?」
「はっ・・・義姉様・・・!これはこれは、申し訳ありません。あの、思い出作りでしたら私も協力してもいいでしょうか?」
「あ、戻ったね。・・・え、協力?」
「はい、KneeSam(二―サム)って知ってますか?」
「にー・・・さむ?」
ってなんだろう。
ハンサム・・・?ではなさそう。
あと最後に『サム』がつくものー・・・。
うん、思いつかない!
最初だったら参鶏湯(サムゲタン)があるけど絶対違うよね、ハンサムも。
「KneeSamっていうのは蒼鷺グループの傘下のゲーム会社です。最新のVRを使ったゲームを開発したんですよ」
「そうなんだ・・・ゲームとかあまりやらないからなー・・・。で、そのにーはむがどうしたの?」
「『にーはむ』ではありません、『にーさむ』です」
「あ、ごめん」
やばい、間違えちゃったー・・・。
「・・・話を戻しますが、KneeSamが作った最新ゲームをやりませんか?楽しいですよ」
「いいね、最高の思い出になりそう!・・・どんなゲームなの?」
「異世界転生ゲームです。床がウォーキングマシンになっていて、VRを付けた人が動くと作動するんです。だからどれだけ歩いても壁にぶつかる心配はなし!・・・どうですか?」
「あー・・・うん、すごいね。・・・どんなゲーム?」
「あっ・・・すみません、ゲーム内容ですね。・・・異世界に転生して、生き抜くゲームです。無人島から始まり、街に行くもよし、無人島でのんびり過ごすのもよし、冒険者ギルドで採集や討伐をしてもよし・・・。魔獣に懐かれて契約し、テイマーとして生きたり、パーティを組んで仲間を増やしたり・・・。ごく稀に・・・」