無自覚姫は今日も美形集団を纏わせる
・・・とまぁ、葵華の話をまとめるとこうだった。
                                                                
・設定は異世界転生
                                                                  
・最初は必ず無人島に出る
                                                                 
・ごく稀に聖女や賢者、勇者などになることがある
                                                                   
・魔獣に懐かれて、契約を結べばテイマーとして生きていくことができる。
                                                                   
・聖女や賢者、勇者よりもごくごく稀に魔法が全属性使いこなすことができる人がいる
                                                                    
・冒険者ギルドや商人ギルドなどもある
                                                                
・お金の単位は『ジア』である
                                                                 
うん、ラノベか!
すごい、異世界転生小説の常識全部詰め込んだみたいじゃん!
                                                                    
・・・でもやりたい。
                                                                  
欲望に勝てなかった私はそっと葵華に視線を向けた。
「やりたいのですね?!では早速兄様たちのところに行きましょう!」
すごい力で私の手を取って引っ張り、椅子を立たせた。
「・・・ぅわっ・・・?!」
びっくりして変な声がでました、お恥ずかしい。
「さ、みなさんでつくる素敵な思い出作りに私も協力させてくださいな!」
「はっはぃぃぃぃ・・・っ!」
すごい勢いで走ってるよ。
さっきまでの淑女っぽい仕草はどうした?
                                                             
・・・でも私も楽しみ。
                                                                  
私は自分の手を引いて前を走る葵華に笑みを零し、脚を動かし続けた。
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