無自覚姫は今日も美形集団を纏わせる
お泊り会の醍醐味! 寝る時は・・・?
最終的にはみんなで合流してパーティを組み、魔王を倒してゲームは一時中断した。
ん-・・・楽しかった。
企画を提案してくれた葵華には感謝しかないね!
「も~、真空ちゃん強運すぎ~。聖女に・・・神子姫?と女神~・・・魔法も全属性使用可能だし、鑑定スキルもあるなんて~」
ニコニコと満足そうに笑みを浮かべながら近寄ってきた蓮羅くんに苦笑を返した。
「大変だったよ・・・なんかレア?なのかな?すごい王宮とか教会とかに追い回されて・・・なぜか魔物にも好かれちゃうし、魔王なんて『シンク、キミに一目惚れした・・・!殺されるならキミの手で・・・!!』とか言ってくるし」
できるだけ魔王の声を再現しながら言うと、みんなが笑い始めた。
「まさかね!現実でモテる女の子はゲーム内でもモテるんだね。魔王もすんなり死んでくれたし」
「こ、琴李くんっ・・・」
『死んでくれた』って・・・!
せめて『倒させてくれた』とか『お亡くなりになってくれた』とかあるでしょーに・・・!
「ん?なぁに、真空ちゃん?」
「・・・え」
な、なになにこの子・・・!
いつもの琴李くんじゃないよっ・・・。
顔が蕩けている・・・!
目とかキラッキラの熱っぽいし!
「琴李く~・・・ん?ちょっと大丈夫?顔が赤い・・・すごい目、潤んでるよ?・・・泣いてる?」
「えっ・・・」
思わず琴李くんの白く柔らかな頬に触れた。
「大丈夫っ・・・体調不良とかないし・・・!その、これば別に・・・僕が・・・」
なにかブツブツ言いだしてしまった琴李くんは放っておくことにした。
「みんなありがとう・・・!じゃあ次はなにしよっか?」
私は感謝を込めて、とびきりの笑顔を向けて首を傾げた。
「ん~・・・ってえ・・・?」
呆然としたような氷空くんの声に振りむくと、氷空くんは金色の懐中時計と手に固まっていた。
わぁ・・・懐中時計・・・!
サソリの柄が入った、かっこいいネックレス型の懐中時計。
いいなぁ・・・わたしも働き始めてお金が溜まったら買ってみようかな?
・・・じゃないよね!
「どうしたの?」
「あぁ、いや・・・時間が思ったより立ってて・・・」
時間・・・?
まだ1時間くらいしかたってないよね?
・・・と、思いながら腕時計を見ると。
「えっ・・・?!」
まさかの18時30分・・・!
えぇ・・・もう5時間近くゲームしてたの・・・っ?!
「夕飯だね~」
「今日は義姉様がいらしていますのでシェフが張り切っておりました、兄様」
「そっかそっか~真空の存在感は半端ないね~」
ニコニコ笑顔でそう言った葵厘にこそっと耳打ちした葵華だけど、ごめんね。
私は葵厘の隣に居るのでバッチリ。
バッチリ聞こえております。
2回言いました。
だから誰も咎めないでぇ・・・。
なんて頭の中で【真空劇場開幕!】の幕が見えてしまったとき、焦りました。
なにホントに【真空劇症開幕!】って。
私は決して演劇部ではないし、失礼だけど興味もありません。
演技と言えば・・・氷空くん?
あの、お姫様と王子様の。
遊園地の時のやつね、すごい演技ウマかったなぁ・・・。
「・・・く?真空?お~い、真空~」
「っ?あ、葵厘。ごめん、どうしたの?」
「いや、ぼーっとなにもない方向見てたから霊とかいるのかなぁって」
「ひっ・・・」
霊っ・・・怖いのだけはむりぃ・・・。
まだ虫ならいける。
蜂とか、頭文字Gの害虫ならまだいい。
オカルトとかは無理だよぅ・・・。
怪談も、お化けも霊も・・・あぁ、自分の後ろに背後霊がいると思うと寒気がしてきた・・・。
私がOKな霊は守護霊だけですっ・・・。
「・・・怖いの無理?ごめんね」
そんな私を見て、申し訳なさそうに謝ってくる葵厘に首を横に振った。
「大丈夫!想像と化しなければ平気・・・でも話されるのはちょっと勘弁・・・」
眦に涙が溜まるのがわかる。
うぅ・・・まばたきしなくても目が乾かない・・・。
涙溜まりすぎじゃないっ・・・?
「真空・・・ちょっとごめん」
先に謝ってこちらに手を伸ばしてきた氷空くんに首を傾げつつもそのまま立っていることにした。
「・・・っ?」
氷空くんが触れたのは目だ。
そっと溜まった涙を拭われ、私は思わず笑ってしまった。
「・・・ふふ」
なんかホントに王子様みたい・・・。
王子様役の氷空くんをさっきまで想像していたから余計・・・すごく王子様っぽくて・・・。。
「・・・?」
不思議そうにしながらもチラチラこちらを見つめながら、氷空くんは。
「・・・うぇ・・・っ?!」
ちょ、ちょっとなにしてんの氷空くん・・・!
「ん、なんか美味しい」
指に乗った水滴・・・つまり、さっき拭った私の涙をペロリと舐めてしまった。
うそうそ・・・ホントになにしてんのっ・・・。
「氷空くん!」
蓮羅くんが咎めるように叫び、私は心の中で必死に頷いた。
そうだよそうだよ・・・!
人の涙を舐めるなんて衛生的によろしくない・・・!!
ぜっっっっったいに!!!
「狡いっ!僕もやりたかった!っていうか舐める前にこっち見たのわざとでしょー!!」
え・・・れ、蓮羅くん?
もうなに言ってるかわからないよ・・・。
「氷空ぁ~っ!僕にもチャンスちょーだいっ!ライバル宣言ちゃんとしたしっ!!」
琴李くんも珍しく声を上げていて驚く。
「・・・俺がやるべきだ。血縁だし、相性もいいはず」
心珠は『血縁』とか私のコトだよね・・・?
もう籍は違うけど心珠は家族!それも双子だもんね!
「僕が適任だよ~、ねぇ?葵華~」
「はい、そのお通りですね、兄様。義姉様、その男に触れさせてはいけませんよ」
葵厘の言葉に葵華が同意し、私に忠告するように言った。
えっと・・・とりあえず、意外だ。
葵華ってずっと丁寧語だから『男』じゃなくて『男性』って言うかと思っていた。
まぁ・・・葵華の本性・・・(?)を知れてよかったね、うん。
ん-・・・楽しかった。
企画を提案してくれた葵華には感謝しかないね!
「も~、真空ちゃん強運すぎ~。聖女に・・・神子姫?と女神~・・・魔法も全属性使用可能だし、鑑定スキルもあるなんて~」
ニコニコと満足そうに笑みを浮かべながら近寄ってきた蓮羅くんに苦笑を返した。
「大変だったよ・・・なんかレア?なのかな?すごい王宮とか教会とかに追い回されて・・・なぜか魔物にも好かれちゃうし、魔王なんて『シンク、キミに一目惚れした・・・!殺されるならキミの手で・・・!!』とか言ってくるし」
できるだけ魔王の声を再現しながら言うと、みんなが笑い始めた。
「まさかね!現実でモテる女の子はゲーム内でもモテるんだね。魔王もすんなり死んでくれたし」
「こ、琴李くんっ・・・」
『死んでくれた』って・・・!
せめて『倒させてくれた』とか『お亡くなりになってくれた』とかあるでしょーに・・・!
「ん?なぁに、真空ちゃん?」
「・・・え」
な、なになにこの子・・・!
いつもの琴李くんじゃないよっ・・・。
顔が蕩けている・・・!
目とかキラッキラの熱っぽいし!
「琴李く~・・・ん?ちょっと大丈夫?顔が赤い・・・すごい目、潤んでるよ?・・・泣いてる?」
「えっ・・・」
思わず琴李くんの白く柔らかな頬に触れた。
「大丈夫っ・・・体調不良とかないし・・・!その、これば別に・・・僕が・・・」
なにかブツブツ言いだしてしまった琴李くんは放っておくことにした。
「みんなありがとう・・・!じゃあ次はなにしよっか?」
私は感謝を込めて、とびきりの笑顔を向けて首を傾げた。
「ん~・・・ってえ・・・?」
呆然としたような氷空くんの声に振りむくと、氷空くんは金色の懐中時計と手に固まっていた。
わぁ・・・懐中時計・・・!
サソリの柄が入った、かっこいいネックレス型の懐中時計。
いいなぁ・・・わたしも働き始めてお金が溜まったら買ってみようかな?
・・・じゃないよね!
「どうしたの?」
「あぁ、いや・・・時間が思ったより立ってて・・・」
時間・・・?
まだ1時間くらいしかたってないよね?
・・・と、思いながら腕時計を見ると。
「えっ・・・?!」
まさかの18時30分・・・!
えぇ・・・もう5時間近くゲームしてたの・・・っ?!
「夕飯だね~」
「今日は義姉様がいらしていますのでシェフが張り切っておりました、兄様」
「そっかそっか~真空の存在感は半端ないね~」
ニコニコ笑顔でそう言った葵厘にこそっと耳打ちした葵華だけど、ごめんね。
私は葵厘の隣に居るのでバッチリ。
バッチリ聞こえております。
2回言いました。
だから誰も咎めないでぇ・・・。
なんて頭の中で【真空劇場開幕!】の幕が見えてしまったとき、焦りました。
なにホントに【真空劇症開幕!】って。
私は決して演劇部ではないし、失礼だけど興味もありません。
演技と言えば・・・氷空くん?
あの、お姫様と王子様の。
遊園地の時のやつね、すごい演技ウマかったなぁ・・・。
「・・・く?真空?お~い、真空~」
「っ?あ、葵厘。ごめん、どうしたの?」
「いや、ぼーっとなにもない方向見てたから霊とかいるのかなぁって」
「ひっ・・・」
霊っ・・・怖いのだけはむりぃ・・・。
まだ虫ならいける。
蜂とか、頭文字Gの害虫ならまだいい。
オカルトとかは無理だよぅ・・・。
怪談も、お化けも霊も・・・あぁ、自分の後ろに背後霊がいると思うと寒気がしてきた・・・。
私がOKな霊は守護霊だけですっ・・・。
「・・・怖いの無理?ごめんね」
そんな私を見て、申し訳なさそうに謝ってくる葵厘に首を横に振った。
「大丈夫!想像と化しなければ平気・・・でも話されるのはちょっと勘弁・・・」
眦に涙が溜まるのがわかる。
うぅ・・・まばたきしなくても目が乾かない・・・。
涙溜まりすぎじゃないっ・・・?
「真空・・・ちょっとごめん」
先に謝ってこちらに手を伸ばしてきた氷空くんに首を傾げつつもそのまま立っていることにした。
「・・・っ?」
氷空くんが触れたのは目だ。
そっと溜まった涙を拭われ、私は思わず笑ってしまった。
「・・・ふふ」
なんかホントに王子様みたい・・・。
王子様役の氷空くんをさっきまで想像していたから余計・・・すごく王子様っぽくて・・・。。
「・・・?」
不思議そうにしながらもチラチラこちらを見つめながら、氷空くんは。
「・・・うぇ・・・っ?!」
ちょ、ちょっとなにしてんの氷空くん・・・!
「ん、なんか美味しい」
指に乗った水滴・・・つまり、さっき拭った私の涙をペロリと舐めてしまった。
うそうそ・・・ホントになにしてんのっ・・・。
「氷空くん!」
蓮羅くんが咎めるように叫び、私は心の中で必死に頷いた。
そうだよそうだよ・・・!
人の涙を舐めるなんて衛生的によろしくない・・・!!
ぜっっっっったいに!!!
「狡いっ!僕もやりたかった!っていうか舐める前にこっち見たのわざとでしょー!!」
え・・・れ、蓮羅くん?
もうなに言ってるかわからないよ・・・。
「氷空ぁ~っ!僕にもチャンスちょーだいっ!ライバル宣言ちゃんとしたしっ!!」
琴李くんも珍しく声を上げていて驚く。
「・・・俺がやるべきだ。血縁だし、相性もいいはず」
心珠は『血縁』とか私のコトだよね・・・?
もう籍は違うけど心珠は家族!それも双子だもんね!
「僕が適任だよ~、ねぇ?葵華~」
「はい、そのお通りですね、兄様。義姉様、その男に触れさせてはいけませんよ」
葵厘の言葉に葵華が同意し、私に忠告するように言った。
えっと・・・とりあえず、意外だ。
葵華ってずっと丁寧語だから『男』じゃなくて『男性』って言うかと思っていた。
まぁ・・・葵華の本性・・・(?)を知れてよかったね、うん。