無自覚姫は今日も美形集団を纏わせる
救世主様
「真空、今日遊ばない?」
そんな優しい声にハッとする。
「あ・・・話しかけないほうがよかった?ごめんね」
本当に申し訳なさそうに手を合わせる救世主様の一人──氷空くん。
「え?」
なんで謝るんだろう・・・。
そう考えて自分を見る。
「・・・あ」
読書中だった。
しかもなんか固まってたっぽい。
頬杖ついてるし。
あー・・・考え事してたって思ってるの・・・かな?
「ううん、全然大丈夫!謝る必要なんてないよ・・・!・・・どこで遊ぶ?」
「そっか、よかった。それで・・・俺の家、来ない?」
「え・・・!いいのっ?行ってみたいなぁ」
「ホント?放課後行こう」
「うん!みんなも誘った?」
「いや・・・二人がいいんだ、誘わないでほしい」
二人がいいの?
なにか話したいことがあるってこと、だよね?
うーん、と考えているとその表情に誤解したのか、氷空くんが悲しそうな顔になる。
「やっぱ俺と二人じゃ嫌・・・?みんなも誘う・・・?」
「えっ・・・いいよ、誘わなくても。話したいこと、あるんでしょう?」
そんな顔されて・・・困るなって言われた方が困るよねっ・・・。
きっと女の子にもてるんだろうなぁ・・・。
・・・いや、もうモテてる気がする。
今もすっごい視線集めてるんだもん。
「ありがとう・・・!みんなにバレないように裏門にいてほしい・・・!」
「わかった。いっぱいお話ししよう」
友達の家なんて初めてだ・・・!
なにか手土産持って行かなきゃ。
あ、でも学校から直接行くんだっけ?
どうしよう・・・。
「・・・手土産は気にしなくていいよ?今時そっちの方が珍しいし」
あれ・・・顔に出てたっぽいな・・・。
は、恥ずかしいっ・・・。
「あれ~?何々、氷空くん抜け駆け~?」
「なっ・・・最初は俺だから!みんなは一目惚れも同然でしょっ?!」
「ひどいなぁ・・・氷空くんも一目惚れって聞いたけど~?」
「そ、それはそうだけど先に好きになったのは俺だし!」
「・・・本人居るよ?」
「あっ・・・」
えっと・・・私に話さないほうがいいコトなのかな?
だって氷空くん、『やっべ』って顔してるよ。
「わ、私は何も聞いてないよ・・・!」
聞いてないアピール!
うん、これがもしかしたら一番穏便に済む方法かもしれない。
「あはは~、真空ちゃん面白いなぁ~」
お、面白い・・・。
褒め言葉ですかね、蓮羅さん?
「おーい、数学係いるか~?」
「「あ、は~い」」
担任の呼ぶ声がする。
数学係は私と蓮羅くんだ。
「これを数学担任に持って行って欲しいんだが、よろしくできるか?」
「もちろんです」
「まかせて~」
数学の先生には本当に感謝している。
だって私を救世主様とめぐり合わせてくれたんだよ?
そんな先生のところに持っていくなんて喜んでやりますとも!
「れ、蓮羅、交代して・・・?」
氷空くん・・・?どうしたの?
急に交代してなんて・・・。
「いやだよ~だ」
「・・・」
煽るように言った蓮羅くんに流石に焦りを覚える。
「れ、蓮羅くん・・・先生のところ行こ?」
「うん、そ~だね~」
声を掛けると蓮羅くんは嬉しそうに廊下を歩きだす。
「先生、これSSクラスのノートです」
「お、助かった。今からとりに行こうと思ってたんだ。向埜鳥、大鷲、ありがとな。これ、これお礼だ」
お礼・・・?
貰っていいのかな?
差し出されたのは1箱のポッキー。
「2人で仲良く食えよ~」
「「ありがとうございま~す」」
先生から箱を受け取り、教室に戻るために歩き出す。
「数学係でよかったね」
「ね~一緒に食べようか」
抹茶味のポッキー。
私が一番好きな味だ。
「3袋あるね。1袋分けて・・・残りは2人で半分こ」
「ありがとう」
教室の扉の前。
「これ、みんなには内緒ね?」
「うん」
そして嬉しさをごまかすように一度表情を消し、笑って中に入る。
「「「真空!」」」
大好きな救世主様の声が教室に響き、私はニッコリした。
そんな優しい声にハッとする。
「あ・・・話しかけないほうがよかった?ごめんね」
本当に申し訳なさそうに手を合わせる救世主様の一人──氷空くん。
「え?」
なんで謝るんだろう・・・。
そう考えて自分を見る。
「・・・あ」
読書中だった。
しかもなんか固まってたっぽい。
頬杖ついてるし。
あー・・・考え事してたって思ってるの・・・かな?
「ううん、全然大丈夫!謝る必要なんてないよ・・・!・・・どこで遊ぶ?」
「そっか、よかった。それで・・・俺の家、来ない?」
「え・・・!いいのっ?行ってみたいなぁ」
「ホント?放課後行こう」
「うん!みんなも誘った?」
「いや・・・二人がいいんだ、誘わないでほしい」
二人がいいの?
なにか話したいことがあるってこと、だよね?
うーん、と考えているとその表情に誤解したのか、氷空くんが悲しそうな顔になる。
「やっぱ俺と二人じゃ嫌・・・?みんなも誘う・・・?」
「えっ・・・いいよ、誘わなくても。話したいこと、あるんでしょう?」
そんな顔されて・・・困るなって言われた方が困るよねっ・・・。
きっと女の子にもてるんだろうなぁ・・・。
・・・いや、もうモテてる気がする。
今もすっごい視線集めてるんだもん。
「ありがとう・・・!みんなにバレないように裏門にいてほしい・・・!」
「わかった。いっぱいお話ししよう」
友達の家なんて初めてだ・・・!
なにか手土産持って行かなきゃ。
あ、でも学校から直接行くんだっけ?
どうしよう・・・。
「・・・手土産は気にしなくていいよ?今時そっちの方が珍しいし」
あれ・・・顔に出てたっぽいな・・・。
は、恥ずかしいっ・・・。
「あれ~?何々、氷空くん抜け駆け~?」
「なっ・・・最初は俺だから!みんなは一目惚れも同然でしょっ?!」
「ひどいなぁ・・・氷空くんも一目惚れって聞いたけど~?」
「そ、それはそうだけど先に好きになったのは俺だし!」
「・・・本人居るよ?」
「あっ・・・」
えっと・・・私に話さないほうがいいコトなのかな?
だって氷空くん、『やっべ』って顔してるよ。
「わ、私は何も聞いてないよ・・・!」
聞いてないアピール!
うん、これがもしかしたら一番穏便に済む方法かもしれない。
「あはは~、真空ちゃん面白いなぁ~」
お、面白い・・・。
褒め言葉ですかね、蓮羅さん?
「おーい、数学係いるか~?」
「「あ、は~い」」
担任の呼ぶ声がする。
数学係は私と蓮羅くんだ。
「これを数学担任に持って行って欲しいんだが、よろしくできるか?」
「もちろんです」
「まかせて~」
数学の先生には本当に感謝している。
だって私を救世主様とめぐり合わせてくれたんだよ?
そんな先生のところに持っていくなんて喜んでやりますとも!
「れ、蓮羅、交代して・・・?」
氷空くん・・・?どうしたの?
急に交代してなんて・・・。
「いやだよ~だ」
「・・・」
煽るように言った蓮羅くんに流石に焦りを覚える。
「れ、蓮羅くん・・・先生のところ行こ?」
「うん、そ~だね~」
声を掛けると蓮羅くんは嬉しそうに廊下を歩きだす。
「先生、これSSクラスのノートです」
「お、助かった。今からとりに行こうと思ってたんだ。向埜鳥、大鷲、ありがとな。これ、これお礼だ」
お礼・・・?
貰っていいのかな?
差し出されたのは1箱のポッキー。
「2人で仲良く食えよ~」
「「ありがとうございま~す」」
先生から箱を受け取り、教室に戻るために歩き出す。
「数学係でよかったね」
「ね~一緒に食べようか」
抹茶味のポッキー。
私が一番好きな味だ。
「3袋あるね。1袋分けて・・・残りは2人で半分こ」
「ありがとう」
教室の扉の前。
「これ、みんなには内緒ね?」
「うん」
そして嬉しさをごまかすように一度表情を消し、笑って中に入る。
「「「真空!」」」
大好きな救世主様の声が教室に響き、私はニッコリした。