絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
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夏休み真っ最中、わたしの部屋の冷房が故障した。
なので、一時的に俐月くんの部屋へ避難している。
俐月くんはというと、今シャワーを浴びてる。
何もすることがなくて、ベッドに倒れ込むと甘い匂いがする。
俐月くんの匂いは落ち着くから好き。
シーツに顔を埋めると、まるで俐月くんに抱きしめられてるみたい。
「もっと俐月くんのそばにいたいなぁ……」
「……それ俺の顔見て言えよ」
え、あれ? いま俐月くんの声が――って、え?
振り返ると、俐月くんがそばにいた。
「う、あ……、これは違うの……!」
本人に聞かれてたなんて恥ずかしい。
まだシャワーから出てこないと思って油断してた。
慌てて身体を起こそうとしたけど、俐月くんが後ろから覆いかぶさってきて逃げ場なし。