絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない


* * *



夏休み真っ最中、わたしの部屋の冷房が故障した。


なので、一時的に俐月くんの部屋へ避難している。


俐月くんはというと、今シャワーを浴びてる。


何もすることがなくて、ベッドに倒れ込むと甘い匂いがする。

俐月くんの匂いは落ち着くから好き。


シーツに顔を埋めると、まるで俐月くんに抱きしめられてるみたい。


「もっと俐月くんのそばにいたいなぁ……」

「……それ俺の顔見て言えよ」


え、あれ? いま俐月くんの声が――って、え?


振り返ると、俐月くんがそばにいた。


「う、あ……、これは違うの……!」


本人に聞かれてたなんて恥ずかしい。


まだシャワーから出てこないと思って油断してた。


慌てて身体を起こそうとしたけど、俐月くんが後ろから覆いかぶさってきて逃げ場なし。


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