絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
「羽瑠こっち向けって」
「むりむり……! 今ぜったい見ちゃダメ……!」
顔が熱を持ってるの、見なくても触らなくてもわかる。こんな顔見られるの恥ずかしくて無理……!
「だからさー、そうやって隠されると見たくなるんだよ」
後ろからかかる甘い吐息、俐月くんの髪から滴る雫……ぜんぶに意識が集中する。
「羽瑠……俺にぜんぶ見せて」
「っ……」
こんなの抗えるわけない。
理性より本能が勝って……頭がボーッとして、俐月くんの言うことぜんぶに従いたくなる。
身体ごとゆっくり俐月くんのほうを向いた。
「りつき、くん……髪濡れてる」
「話そらすのへたすぎ」
「だって、風邪ひいちゃう……」
「へー、俺のこと心配する余裕あるんだ?」