絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
俐月くんの指先が背中に触れて、上から下へなぞるように落ちて……真ん中あたりでピタッと止まった。
「なんもつけてないのわざと?」
「あぅ……」
「誘ってるってとらえちゃうけど」
「ち、ちがっ……」
「俺さー、羽瑠の感じてる声好き」
「っ⁉︎」
「だから抑えんなよ」
こうして触れられるのが本当に嫌だったら、セーフワードを言えばいいだけ。
なのに、それが自分の口から出ないってことは……。
薄っすらと自分の中の気持ちが見えてきた気がする。
じゃあ、俐月くんの気持ちは……?
恋人じゃなくても、好きじゃなくても、こういうことできちゃうの……?
恋人同士じゃないのに……なんて、甘いキスの中で少し胸が苦しくなった。