絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
「なんで今さら驚いてんの」
「だ、だって黒光くんもいるのに」
「見せつけてんだよ」
なんて言って、わたしの手をグイグイ引いて歩き始めちゃった俐月くん。
黒光くんとは微妙なところで会話が途切れてしまった。
* * *
そして翌朝。
「……はよ」
「えっ⁉︎」
「んだよ、その反応」
「だ、だって黒光くんが挨拶して……」
「しちゃ悪いかよ」
「ううん、おはよう!」
ものすごい進展!
あの黒光くんが自分から声をかけてくれるなんて!
数日前までは迷惑の一点張りだったのに、むぎくんパワー恐るべし!
この調子で他の子とも馴染んでいけるといいなぁ。