絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
そう言って、資料の山の半分を自分のほうへ。
「やっぱり黒光くんは優しいですね!」
「別に……。つーか、嫌なことはちゃんと断ってんの? なんでもかんでも安請け合いしてそうだけど」
「頼られるとうれしくて断れないんです」
「…………」
「人の役に立つのが好きだし、何よりわたしが頑張ることで他の人がよろこんでくれる姿を見ると、心が満たされるんです」
はっ、ちょっと喋りすぎたかな。
黒光くんは表情を変えず、じっとわたしの瞳を見る。
「なんかお前見てると、自分と重なる部分あるわ」
「……?」
「お前だから言うけどさ……俺は支配者にもなれるし服従者にもなれんの」
「……え?」
「そういう属性とか聞いたことない?」