絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
采花ちゃんの言う通りだ。
支配者と服従者の関係を気にしすぎて、本来の大切なものにきちんと目を向けられていなかったかもしれない。
「わたしは羽瑠の気持ちを完全にわかってあげることもできないし、羽瑠が抱えてる悩みにぜんぶ共感することは難しいかもしれないけど。少しでもわたしに話して、打ち明けることで、羽瑠の気持ちが軽くなって、前向きになればいいなと思ってるから」
「采花ちゃん、ほんとにありがとう」
「羽瑠がこうやって話してくれることがうれしいからさ。溜め込むのよくないし、たまには吐き出さないと」
たくさん話を聞いてもらって、気持ちがだいぶ楽になった。采花ちゃんには考えすぎないようにって言われたけど。
「ひとりになると、やっぱり難しい……」