絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
「あとそのたまに敬語になるのやめろよ。俺たち同い年だろーが」
「なんか黒光くんには敬語使っちゃいます」
「んじゃ、少しずつやめることな」
「ど、努力するね!」
黒光くんは、やっぱりいい人。
わたしの体調の変化に気づいて連れ出してくれて、こうして話を聞いてくれて。
「はっ、そういえば黒光くんまで授業参加できてない!」
「今さらかよ。つーか、俺は今からテキトーに時間つぶしてサボるから。お前はここで休んでることな」
「え、黒光く――」
あっ、出ていっちゃった。
また気をつかわせちゃったかな。
少ししてガチャッと音がした。
視線を扉に向けて一瞬固まる。
黒光くんと入れ違いで入ってきた人を見て、思わず身を隠したくなった。
「りつき、くん……」