絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
でも、薬に副作用はつきもの。
最近になって副作用が強く身体に出てきて、薬を控えなくてはいけなくなった。
そこで事情を知っている両親がいろいろ調べてくれて、桜城学園へ転入することが決定。
「あっ、そろそろ行かないと遅刻しちゃう」
やっぱり不安な気持ちは少しあるけど、自分に合った人が選ばれるといいな。
部屋を出る寸前、ハンガーにかかった真っ黒のスーツが視界に入ってきた。
そういえば、春休み中に会った男の子と再会することなかったなぁ。
スーツを取りに来るかと思ったけど、あれから一度も姿を現すことはなく。
「ちゃんと家に帰れてるといいな」
わたしは、しばらくここを離れるから、もう会うことはないかもしれないけど。
……そんなことを考えて部屋をあとにした。