絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
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桜城学園の門をくぐり、まずは入寮の手続きをすませた。
荷物をすべて運んで、ある程度片づけ終えた。
じつは内心ものすごくドキドキしてる。
だって、もう少ししたらここにわたしのペアとして選ばれた子が来るはずだから。
学園のルールとして、最良のペアを組む生徒は一緒に住むことが決められている。
部屋は別々だけど、扉一枚越しにペアがいる……という状況。
すると、部屋の扉がガチャッと開いた。
振り返ると、まさかの光景が。
「え、うそ……」
思考が数秒停止して、思わず出た第一声がこれ。
だって、今わたしの目の前にいるのは――。
「あー、あのときの。やっぱ俺の読み間違ってなかったわ」
「ど、どうしてここに」