絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
一年生の頃からこの学園にいたけれど、最良のペアが見つからなかったそう。
つまり霞見くんは……支配者だということ。
「服従者って人に尽くすのが好きだって聞いたことあるけど」
「よろこんでもらえるのがうれしくて」
物心ついた頃からずっとそう。
誰かのために何かすることで、自分の心が満たされていくような感じがする。
「試していい?」
さっきまで離れていたはずの距離が、一気に縮まった。
正確に言えば、霞見くんが近づいてきて、わたしのほぼ目の前にいる。
思わず目線を下に落とすと。
「俺のことちゃーんと見ろ」
「っ……」
身体中が熱くなって、落としたはずの目線がゆっくり上を向く。
目が合ったら恥ずかしくて耐えられないのに……本能が言うことを聞かない。