絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
わたしが物足りなく感じるのは、きっと俐月くんの思い通り。
「じっとしてろよ」
「っ……」
「ちゃーんと俺のこと見てろ」
誘うような声にクラッとする。
恥ずかしくて目をそらしたいのに身体が言うことを聞かなくて、目線は俐月くんに向いたまま。
「羽瑠ってほんと従順」
甘くとらえて離してくれない。
それに今日の俐月くんはイジワルで、見つめ合うだけで触れてこない。
「あーあ……そんな欲しそうな顔して」
「だって、俐月くんが……」
「俺にどうしてほしいか、ちゃんと言えって」
「さっきも言ったのに、してくれなかった……」
わたしが頬をぷくっと膨らますと、俐月くんは愉しそうに笑うの。
いつも俐月くんのほうが余裕なのがなんか悔しい。