絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
気分はふわふわしたまま。
俐月くんに褒められると、すごくうれしくて心が満たされていく。
この感覚がきもちよくて、言われるがままにしちゃう。
ボヤッとした状態から、少しずつはっきりしてきて……気づいたら俐月くんのベッドで一緒に寝ていた。
「……はっ、なんでこんなことに⁉︎」
「今はおとなしく俺に抱かれてればいいの」
「こ、こんなのわたしのほうが不眠症になっちゃう……」
これは添い寝というより、俐月くんの抱き枕になってるのでは?
「羽瑠ってやわらかい」
「えっ、それはつまり太ってる……ってこと?」
ちょっとストレートすぎでは……?
もう少しオブラートに包んで言ってくれたらいいのに……!
「あー……いや、抱き心地がいいってこと」
「そんなこと言うの俐月くんくらい……」
これは褒められてるのかよくわからない。
「ってか、俺以外にこんなことさせんなよ?」
「俐月くんしかしてこないよ」
「俺以外が羽瑠に触れんのは許さない」
今の言葉にわかりやすく心臓がドキッと鳴る。
そんな言い方されたら勘違いしそうになる。
わたしが俐月くんにとって特別なんじゃないかって。
最良のペアとして成り立っている関係というだけで……きっとそこに、俐月くんの気持ちはないのに。