絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
「ってかさ、知らない人に名前教えちゃダメってガッコーで習わなかった?」
首を傾げて、じっとわたしを見てる。
「俺が悪いやつだったらどーすんの?」
「そんな人には見えなかったので」
「へぇ……お人好しってやつね。道端で倒れてるやつに声かけるくらいだし」
壁にもたれかかっている身体を軽く起こして、少しだけわたしと距離を詰めてきた。
さっきから気になってたけど、体調悪いのかな。
顔色があまり良くない。
「何かあったのかと思って心配で。体調とか大丈夫ですか? どうしてこんなところに?」
「うるさい親といろいろあって野宿寸前ってところ」
「な、なるほど」
人に言いたくない事情とかあるよね。
「家から飛び出して丸二日くらいなんも食べてない」
「え⁉︎」