絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
「もっとしたら羽瑠どうなるんだろうね」
「またからかおうとしてる……!」
こうやってイジワルなことを言ってくる一面もあるけど、俐月くんは自分本位な考え方じゃなくて、ちゃんとわたしのことを考えてくれてると思う。触れ方とか距離感とか。
俐月くんと出会うまでは、支配者は怖い人ばかりだと思っていた。
服従者は命令される側の人間で、本能的に従うしかないから。
でも、俐月くんみたいな優しい男の子が、相手として選ばれてよかった。
わたしたちの関係に恋愛感情はないはずなのに、わたしの中で俐月くんに対して特別な想いはないって――はっきりとは言えない気がする。