絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
俐月くんの中でのわたしのイメージっていったい……。
それとも俐月くんが心配性なだけなのかな。
なんてことを考えていたら駅のほうに到着。
電車の時間まであと何分だっけ?
スマホを確認しようとしたら、どこからともなく甘い匂いが流れてきた。
香水……?
いや違う……何か思考が狂わされそうな甘くどい匂い。
この匂いを吸い込むほど、意識がぼうっとして、何も考えられなくなる。
さっきまでなんともなかったのに……急にどうしたんだろう。
それに、他の人たちはとくになんともなさそうな様子だし……。
「あのー、すみません。いま時間ありますか?」
急に声をかけられたから、びっくりして思わず足を止めてしまった。
声をかけてきたのは、大学生くらいの男の人だ。