絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
まぎれもなく、今テーブルを蹴り上げたのはわたしの目の前に座ってる男の人。
びっくりして思わず伸ばしていた手が引っ込んだ。
「さて、お前いまいくら払える?」
さっきまでの態度と一変。脚をテーブルの上にドンッと乗せて、わたしのスマホを奪い取った。
「わ、わたし帰ります……!」
「今さら何言ってんの? いくら払えるか聞いてんだから答えろよ」
さっきよりさらに強い口調で威圧的。
逃げ出したいけど入り口は遠いし、スマホは取られたまま。
すると、ものすごいタイミングでわたしのスマホが鳴った。
一瞬見えた画面には、俐月くんの名前が表示されていた。
「あーあ、せっかくかかってきた電話なのにざーんねん」