絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
「――で、そこのお前さ。俺の羽瑠に何したかわかってんの?」
俐月くんが、男の人の胸ぐらをグッとつかんだ。
いつもの俐月くんとはオーラが違う。
相手もそれを感じ取ったのか、さっきの様子とは打って変わって慌ててる。
「いや、俺は金が欲しかっただけで……!」
「へぇ。金欲しさにこんなことして許されると思ってんだ?」
顔は笑ってるのに目の奥は笑ってないし、鋭くて冷たい目線。
怒りを抑えた口調で相手に対して容赦なく詰め寄る。
「ってか、お前ちゃんとわかってる?」
鈍い音が聞こえたと同時に、相手が地面に膝をついて崩れた。
「羽瑠に手出すってことは、俺の逆鱗に触れるってことなんだよ」
「ぐぁ……うっ……」
「……汚い手で羽瑠に触んな」