絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
子猫ちゃんをタオルにくるんで抱きかかえて周辺を歩いてみたけど、なかなか見つからない。
傘を差してるけど、風が強くてあんまり意味ないかも。
気づいたら一時間以上も歩いて、周りは真っ暗で雨風もさらに強くなっていた。
「全身びしょ濡れだ……」
それに、ちょっと身体が冷えてきたかも。
「うっ、くちゅん……っ」
「ニャー……」
まるでわたしを心配してくれてるみたい。
すると、少し離れた場所から「むぎ⁉︎」って呼ぶ声がした。
子猫ちゃんもその声に反応してる。
「むぎ~‼︎ 心配したのよ、どこ行ってたの!」
飼い主さんかな。
見つかってホッとしてるのがわかる。
「助けていただいてありがとうございました! 少し目を離した隙に外に出ちゃったみたいで」