絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
「いえいえ。無事に飼い主さんのところに戻れてよかったです」
「あの、もしかしてこの雨の中、ずっとむぎと一緒にいてくれましたか? すごくびしょ濡れだし、このままだと風邪ひいちゃうのでよかったらうちに……」
「あっ、家近くなので大丈夫です!」
それに結構遅くなったから、俐月くんが心配してるかもだし。
飼い主さんと別れてから、ダッシュで寮に帰宅。
とりあえず先にお風呂に――。
「羽瑠」
「ひゃっ……びっくりしたぁ……!」
脱衣所の扉に手をかけようとしたら、背後から俐月くんの声が。
「こんな遅くまでどこ行ってた? ってか、なんでそんなびしょ濡れなわけ」
「えぇっと、子猫ちゃんを救出してて」
「まさかこの雨の中ずっと外にいた?」