絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
わたしの頭に優しく触れて、ポンポン撫でてくれた。
「尽くし癖あるって言われない?」
「誰かの役に立つことが好きなだけ……なので」
一瞬、わたしの秘密に気づかれたのかと思ってドキリとした。
それに、胸のあたりがざわっとしてる。
ドキドキするとか……そういうのとは違う感覚。
同時に身体も何かに反応してるみたいで……気のせいかな。
「どーした?」
「あっ、いや、なんでもないです! お風呂案内しますね!」
今のなんだったんだろう。
男の子との距離感に慣れてないだけ……なのかな。
* * *
あれから三十分くらいが過ぎた。
ちょうどごはんを作り終わったタイミングで、リビングの扉が開いた。
「わわっ、髪が濡れたままじゃないですか!」