絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
「俺のせいで顔真っ赤になったんでしょ?」
「う、言わないで……」
「やっぱ羽瑠かわいーね」
わたしのほっぺをふにふにしながら、満足そうに笑ってる。
「あの男が羽瑠に気あんのかと思ったけど」
はっ、もしかして飯島くんのこと何か勘違いしてる?
あくまで飯島くんは友だちだし、特別な関係とかじゃないし!
「それは違うよ! ぜったいない!」
「なんでそう言い切れんの」
「飯島くんにはちゃんと好きな子がいて!」
あれ、なんでわたしこんな必死なんだろう。
ただ、俐月くんには誤解されたくないの。
「それが羽瑠なんじゃない?」
「どうしてわたしになるの⁉︎ 飯島くんの好きな子は幼なじみで――」
「羽瑠かわいーから」
「っ⁉︎ なんか今日の俐月くんストレートすぎる……!」
「羽瑠のことになると抑えきかないみたい」
「も、もしかして、飯島くんにヤキモチ……焼いてた?」
不機嫌そうだったのも、これが原因だったのかな。
「……さあ。どーだろうね」
「はぐらかすのずるい」
こうして、俐月くんの勘違い騒動は一件落着した。