絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
甘やかしたい
学園は夏休みに入った。
今年は例年の気温を超えるくらいの暑さだって、ほぼ毎日テレビのニュースで見かける。
暑さに弱いわたしは、とても外に出る気にはなれないので寮の部屋で毎日を過ごす。
今日は朝早くに目が覚めたせいで、お昼を食べたあと睡魔に襲われた。
テレビをつけたままソファでうたた寝。
しばらくして目が覚めたけど、寝起きで頭がボーッとしてる。
さっきまでテレビの音で騒がしかったけど、今は静かだなぁ……ここベッドの上……?
それに、なんだかあたたかい。
誰かに抱きしめられてるみたい。
「あ、起きた」
「りつき、くん……?」
「ソファで寝てたから風邪ひくと思って、ベッドに運んだ」
「そうだったんだ。ありがとう。俐月くんも寝てたの?」
「羽瑠の寝顔見てた」
「……えっ、なんで⁉︎」
「かわいーから?」
頬をむにっとつままれた。
最近変なの。
俐月くんに触れられると特別にドキドキする。
今だって心臓がいつもより速く動いてるだけ……かと思ったら、ドクッと一度激しく鳴った。