絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
こういうとき、頼れるのは俐月くんしかいない。
でも、部屋に行くのは迷惑……だよね。
ひとりでこの時間を耐えるしかない。
窓は雨風のせいでカタカタ音を立てるし、ガラスが割れるんじゃないかってくらい風が強い。
雷も鳴ってるし、近くで落ちたような大きな音も聞こえる。
あとどれくらいで復旧するんだろう……。
すると、部屋の扉が開く音がした。
ゆっくり目線をそちらに向けると、明かりを持った俐月くんがいた。
そのままわたしがいるベッドまで来てくれた。
「り、俐月くん……っ」
たぶんほぼ無意識。
俐月くんの胸の中に飛び込んでいた。
ひとりで心細かった中で、来てくれたのがうれしくて安心しちゃって。
でも、すぐ我に返った。
「……はっ! えっと、いきなりごめんなさい!」