絶対強者の黒御曹司は危険な溺愛をやめられない
「ちゃーんと言えたら甘いのしてやるよ」
言うまでずっとこのまま。
俐月くんは、言わせたがりだから。
首をフルフル横に振って最大限の抵抗。
「そんなんじゃしてあげない」
唇の間にある俐月くんの指を、軽くキュッとつかんだ。
そのまま指を少しずらそうとしたら……俐月くんが満足そうにフッと笑った。
「なんかさー、羽瑠すごく積極的になった」
「俐月くんがイジワルばっかりするから……」
「そーいう素直なとこ可愛くてたまんない」
恥ずかしくて、またギュッと目をつぶった。
ふと我に返って、少し積極的になりすぎたかも。
これじゃ、キスしたいって求めてるみたいで……。
それに、俐月くんが深くため息をついたのが聞こえた。
や、やっぱり引かれたりしたのかも――。