陰が日向に変わる時
「カズくん、モデルってどういう事?」

落ち着きを取り戻した美春が問う。

「俺はね、今回の衣装、美春を想像しながらデザインしたんだ。君が俺のデザインした衣装を着てランウェイを歩く姿、見せてくれないかな? モデルとしての振る舞いは、母さん、いや、北島瑠璃がレッスンしてくれる。時間がないからハードスケジュールにはなると思うけど、美春、君なら必ずやれる」

「私がモデル……」

「美春ちゃん、貴女は表舞台に立つべき女性よ。大丈夫、秀和も私もついてる。羽ばたきましょう」

「 私に出来るでしょうか……」

「出来る! 俺が保証する。俺の奥さんは最強だから」

全く自信はないけれど、秀和や瑠璃がついていてくれればやれそうな気がする。

美春は腹を括った。

「私、やります! 頑張ります!」

「よし! 母さん、頼んだよ」

「がってん承知の助! 任せなさい!」

それからコレクション当日まで、瑠璃による猛特訓が始まった。
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