お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
『感動の再会に水を差すのはなぁ……』と悩んでいると、兄が足元から氷を出す。
そして氷の柱で体を押し上げるようにして、焼け落ちた天井から二階へやってきた。
と同時に、リエート卿のお尻を蹴り飛ばす。
「時間がないから、その辺にしておけ」
『いい加減、鬱陶しい』と吐き捨て、兄は赤髪の美丈夫に向き直った。
「アレン・ブルース・クライン殿。救助要請を受けて参りました、ニクス・ネージュ・グレンジャーです。こちらは妹のリディア・ルース・グレンジャー」
「初めまして」
兄の紹介に合わせてお辞儀し、私は軽く挨拶する。
『こんな格好ですみません』と無体を詫びると、アレン小公爵は笑顔で首を横に振る。
『大丈夫だから、リラックスしてて』と優しく言い、こちらの体調を気遣ってくれた。
「我々はあくまで先発隊で、本隊は後ほど到着予定です。父上もその時、いらっしゃいます。一先ず、状況を確認させて頂いてもよろしいでしょうか?」
『まだこちらに到着したばかりで何がなんだか』と零す兄に、アレン小公爵は頷く。
そして氷の柱で体を押し上げるようにして、焼け落ちた天井から二階へやってきた。
と同時に、リエート卿のお尻を蹴り飛ばす。
「時間がないから、その辺にしておけ」
『いい加減、鬱陶しい』と吐き捨て、兄は赤髪の美丈夫に向き直った。
「アレン・ブルース・クライン殿。救助要請を受けて参りました、ニクス・ネージュ・グレンジャーです。こちらは妹のリディア・ルース・グレンジャー」
「初めまして」
兄の紹介に合わせてお辞儀し、私は軽く挨拶する。
『こんな格好ですみません』と無体を詫びると、アレン小公爵は笑顔で首を横に振る。
『大丈夫だから、リラックスしてて』と優しく言い、こちらの体調を気遣ってくれた。
「我々はあくまで先発隊で、本隊は後ほど到着予定です。父上もその時、いらっしゃいます。一先ず、状況を確認させて頂いてもよろしいでしょうか?」
『まだこちらに到着したばかりで何がなんだか』と零す兄に、アレン小公爵は頷く。