お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
『さすが、グレンジャー公爵家の次期当主』と感心する中、私はじっと彼の手を見つめる。
「あの、私でも魔法や魔術を使えますか?」
この世界に魔法があると知ってからずっと気になっていた疑問をぶつけ、私は唇を引き結んだ。
僅かな期待を抱く私の前で、小公爵は困ったような表情を浮かべる。
「それは何とも言えない。魔法や魔術は基本────世界の理に縛られないエネルギーであるマナを元に作られた、魔力がないと使えないから」
『現状どうしようもない』と零す小公爵に、私は更なる疑問をぶつける。
「じゃあ、魔力はどうやったら手に入れるんですか?」
「いや、これは努力じゃどうにも出来ない。生まれつきのものだから」
「と言いますと?」
「空気中のマナを取り込み、魔力へ変換する器官が体内にないと、どうにも出来ないってことだ」
「そうですか……それは残念です」
シュンと肩を落とす私は、『リディアのスペックに賭けるしかない』と考えた。
「あの、私でも魔法や魔術を使えますか?」
この世界に魔法があると知ってからずっと気になっていた疑問をぶつけ、私は唇を引き結んだ。
僅かな期待を抱く私の前で、小公爵は困ったような表情を浮かべる。
「それは何とも言えない。魔法や魔術は基本────世界の理に縛られないエネルギーであるマナを元に作られた、魔力がないと使えないから」
『現状どうしようもない』と零す小公爵に、私は更なる疑問をぶつける。
「じゃあ、魔力はどうやったら手に入れるんですか?」
「いや、これは努力じゃどうにも出来ない。生まれつきのものだから」
「と言いますと?」
「空気中のマナを取り込み、魔力へ変換する器官が体内にないと、どうにも出来ないってことだ」
「そうですか……それは残念です」
シュンと肩を落とす私は、『リディアのスペックに賭けるしかない』と考えた。