お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
デビュタント
◇◆◇◆
────なんやかんやありながらも何とか準備を終え、私はデビュタント当日を迎えた。
母に見立ててもらった紫色のドレスに身を包み、髪型は編み下ろしにしてもらう。
お下げの一つ結びバージョンと言えば、分かってもらえるだろうか。
ちなみにアクセサリーは、髪飾り代わりの花とクローバーのネックレスである。
「おい、本当にそれで行くのか?やっぱり、ネックレスは別のものに変えないか?」
そう言って、じーーーっとこちらを見つめてくるのは兄のニクスだった。
どうやら、リエート卿にもらった誕生日プレゼントを身につけているのが気に食わないらしい。
もう馬車に乗って皇城へ向かっている最中だというのに、まだ諦めがつかないようだ。
「今朝から何度も言っていますが、変更する気はありません。これはパートナーの申し出を断ってしまった、お詫びというか……せめてもの償いですので」
リエート卿からの強い要望もあり、本来チョーカーにする筈だったアクセサリーをネックレスに変えた……という背景がある。
なので、そう簡単に変更することは出来なかった。
────なんやかんやありながらも何とか準備を終え、私はデビュタント当日を迎えた。
母に見立ててもらった紫色のドレスに身を包み、髪型は編み下ろしにしてもらう。
お下げの一つ結びバージョンと言えば、分かってもらえるだろうか。
ちなみにアクセサリーは、髪飾り代わりの花とクローバーのネックレスである。
「おい、本当にそれで行くのか?やっぱり、ネックレスは別のものに変えないか?」
そう言って、じーーーっとこちらを見つめてくるのは兄のニクスだった。
どうやら、リエート卿にもらった誕生日プレゼントを身につけているのが気に食わないらしい。
もう馬車に乗って皇城へ向かっている最中だというのに、まだ諦めがつかないようだ。
「今朝から何度も言っていますが、変更する気はありません。これはパートナーの申し出を断ってしまった、お詫びというか……せめてもの償いですので」
リエート卿からの強い要望もあり、本来チョーカーにする筈だったアクセサリーをネックレスに変えた……という背景がある。
なので、そう簡単に変更することは出来なかった。