お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
おもむろに顔を上げると、警備を担当している衛兵達と目が合った。
愛想良く挨拶してくれる彼らに軽く会釈し、私は隣に立つ兄を見上げる。
「今日デビュタントを迎えるリディア・ルース・グレンジャーと、付き添いのニクス・ネージュ・グレンジャーだ。扉を開けてくれ」
大人相手でも物怖じせずハキハキと喋り、兄は皇城から届いた招待状を見せた。
すると、身元確認を行った衛兵達が笑顔で『ようこそ』と歓迎してくれる。
ピンッと背筋を伸ばし、観音開きの扉に手を掛ける彼らは『では、開けますね』と一声掛けてくれた。
かと思えば、
「リディア・ルース・グレンジャー公爵令嬢、並びにニクス・ネージュ・グレンジャー小公爵のご入場です!」
と言って、扉を開け放った。
美しく飾り立てられた会場を前に、私と兄はゆっくりと歩き出す。
周囲の注目を集めながら。
愛想良く挨拶してくれる彼らに軽く会釈し、私は隣に立つ兄を見上げる。
「今日デビュタントを迎えるリディア・ルース・グレンジャーと、付き添いのニクス・ネージュ・グレンジャーだ。扉を開けてくれ」
大人相手でも物怖じせずハキハキと喋り、兄は皇城から届いた招待状を見せた。
すると、身元確認を行った衛兵達が笑顔で『ようこそ』と歓迎してくれる。
ピンッと背筋を伸ばし、観音開きの扉に手を掛ける彼らは『では、開けますね』と一声掛けてくれた。
かと思えば、
「リディア・ルース・グレンジャー公爵令嬢、並びにニクス・ネージュ・グレンジャー小公爵のご入場です!」
と言って、扉を開け放った。
美しく飾り立てられた会場を前に、私と兄はゆっくりと歩き出す。
周囲の注目を集めながら。