お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
やっぱり、グレンジャー公爵家って凄い家門なのね。
皆、私達に興味津々みたい。
子供から大人まで、こっちを見つめているわ。
「チッ……!おい、リディア。付き合う人間は選べよ。あいつらは公爵家の財産を狙う、ハイエナみたいなものだからな」
『普通の友達になれるとは思わない方がいい』と忠告し、兄は会場の奥へ歩を進める。
────と、ここでポンッと軽く肩を叩かれた。
「よっ、二人とも」
そう言って、私達の前に躍り出たのは────友人のリエート卿だった。
『遅かったじゃん』と語る彼は騎士服に近い正装を身に纏い、珍しく粧し込んでいる。
髪型もオールバックで、左耳には服と同じ真っ赤なピアスをしていた。
おかげで、だらしない印象……というか、不良っぽさ(?)が消えて好青年に見える。
皆、私達に興味津々みたい。
子供から大人まで、こっちを見つめているわ。
「チッ……!おい、リディア。付き合う人間は選べよ。あいつらは公爵家の財産を狙う、ハイエナみたいなものだからな」
『普通の友達になれるとは思わない方がいい』と忠告し、兄は会場の奥へ歩を進める。
────と、ここでポンッと軽く肩を叩かれた。
「よっ、二人とも」
そう言って、私達の前に躍り出たのは────友人のリエート卿だった。
『遅かったじゃん』と語る彼は騎士服に近い正装を身に纏い、珍しく粧し込んでいる。
髪型もオールバックで、左耳には服と同じ真っ赤なピアスをしていた。
おかげで、だらしない印象……というか、不良っぽさ(?)が消えて好青年に見える。