お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
「ほら、入学式の日に転倒した時とか!」
「えっ?あれって、普通に転んだだけじゃなかったんですか?」
「違うに決まっているでしょ!本来であれば、攻略対象者のリエートが駆けつけてくれるシーンだったの!それなのに、貴方が……」
「す、すみません……」
『確かにリエート卿なら、助け起こしてくれそう』と思いつつ、私はシュンと肩を落とす。
言われてみれば、転んだヒロインを助けるという展開は乙女ゲームや少女漫画において王道だから。
ルーシーさんがヒロインだと知らなかったとはいえ、もう少し考えてから行動するべきだった。
目の前に困っている人がいると思ったら、居ても立ってもいられなかったのよね……。
こういう短絡的というか、単純なところは直した方がいいかもしれない。
『私の悪い癖ね』と反省し、下を向く。
あまりにも申し訳なくて、ルーシーさんの顔をまともに見れなかった。
「こ、この際だからあの時のことはもういい!別にそこまで重要な展開じゃなかったし!いくらでも取り返しがつくから!」
落ち込む私を不憫に思ったのか、ルーシーさんは慌ててフォローを入れる。
私の肩を前後に揺さぶりながら、『さっさと元気になりなさいよ!』と叫んだ。
「えっ?あれって、普通に転んだだけじゃなかったんですか?」
「違うに決まっているでしょ!本来であれば、攻略対象者のリエートが駆けつけてくれるシーンだったの!それなのに、貴方が……」
「す、すみません……」
『確かにリエート卿なら、助け起こしてくれそう』と思いつつ、私はシュンと肩を落とす。
言われてみれば、転んだヒロインを助けるという展開は乙女ゲームや少女漫画において王道だから。
ルーシーさんがヒロインだと知らなかったとはいえ、もう少し考えてから行動するべきだった。
目の前に困っている人がいると思ったら、居ても立ってもいられなかったのよね……。
こういう短絡的というか、単純なところは直した方がいいかもしれない。
『私の悪い癖ね』と反省し、下を向く。
あまりにも申し訳なくて、ルーシーさんの顔をまともに見れなかった。
「こ、この際だからあの時のことはもういい!別にそこまで重要な展開じゃなかったし!いくらでも取り返しがつくから!」
落ち込む私を不憫に思ったのか、ルーシーさんは慌ててフォローを入れる。
私の肩を前後に揺さぶりながら、『さっさと元気になりなさいよ!』と叫んだ。