お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
フラグクラッシャー《ルーシー side》
◇◆◇◆
り、リディアの様子が明らかにおかしい……いきなり話し掛けてきたと思ったら、褒め言葉を残して去っていく。
凄く満足そうな表情を浮かべながら……。
一回だけなら大して気にならなかったけど、十分休憩になる度毎回だし……さすがに不気味すぎる。
ゾワゾワとした感覚を覚えながら、私は両腕を擦る。
『肝心の悪役っぽいことは一切してくれないし、何なの……』と項垂れる中、四限目の授業は終わりを迎えた。
キーンコーンカーンコーンと鳴る鐘の音を聞き、私はハッとする。
早く中庭へ行かないと!ニクスとの出会いイベントが……!
「────リディア、早く来い。昼食に付き合え」
聞き覚えのある声が耳を掠め、私は慌てて顔を上げた。
すると、案の定────ニクスの姿が見える。
教室の扉に寄り掛かり、リディアを見つめる彼は 『何が食べたい?』と問い掛けた。
り、リディアの様子が明らかにおかしい……いきなり話し掛けてきたと思ったら、褒め言葉を残して去っていく。
凄く満足そうな表情を浮かべながら……。
一回だけなら大して気にならなかったけど、十分休憩になる度毎回だし……さすがに不気味すぎる。
ゾワゾワとした感覚を覚えながら、私は両腕を擦る。
『肝心の悪役っぽいことは一切してくれないし、何なの……』と項垂れる中、四限目の授業は終わりを迎えた。
キーンコーンカーンコーンと鳴る鐘の音を聞き、私はハッとする。
早く中庭へ行かないと!ニクスとの出会いイベントが……!
「────リディア、早く来い。昼食に付き合え」
聞き覚えのある声が耳を掠め、私は慌てて顔を上げた。
すると、案の定────ニクスの姿が見える。
教室の扉に寄り掛かり、リディアを見つめる彼は 『何が食べたい?』と問い掛けた。