お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
前世のことを結構堂々と喋っていたので、私は『結界でも張っておけば良かった』と後悔する。
『知られていないことを祈るしかない』と考える中、兄とリエート卿は落ち着きを取り戻した。
どうやら、『故意に隠していた訳じゃない』とアピールしたのが良かったらしい。
「……そういえば、女の交友関係まで報告しろとは言ってなかったな」
「あぁ、男からの誘いは全部断った上で顔と名前を教えろって、言い聞かせておいたけど」
『案の定、めちゃくちゃデートに誘われていたし』と零し、リエート卿は頭の後ろに手を回す。
ここに私達しか居ないためリラックスしているのか、椅子の前足を浮かせる形で姿勢を崩した。
「一年の特待生って言うと……聖女候補の女か」
「確か、『光の乙女』とか言う珍しいギフトを持っているんだったな」
「あぁ、だから数百年ぶりに聖女選出なるかも?って話になっているんだ。歴代聖女の大半が、そのギフトを持っていたからさ。ただ、何の後ろ盾もない平民だからちょっと揉めていてな……」
ポリポリと頬を掻いて苦笑するリエート卿に、兄は怪訝な表情を浮かべる。
『知られていないことを祈るしかない』と考える中、兄とリエート卿は落ち着きを取り戻した。
どうやら、『故意に隠していた訳じゃない』とアピールしたのが良かったらしい。
「……そういえば、女の交友関係まで報告しろとは言ってなかったな」
「あぁ、男からの誘いは全部断った上で顔と名前を教えろって、言い聞かせておいたけど」
『案の定、めちゃくちゃデートに誘われていたし』と零し、リエート卿は頭の後ろに手を回す。
ここに私達しか居ないためリラックスしているのか、椅子の前足を浮かせる形で姿勢を崩した。
「一年の特待生って言うと……聖女候補の女か」
「確か、『光の乙女』とか言う珍しいギフトを持っているんだったな」
「あぁ、だから数百年ぶりに聖女選出なるかも?って話になっているんだ。歴代聖女の大半が、そのギフトを持っていたからさ。ただ、何の後ろ盾もない平民だからちょっと揉めていてな……」
ポリポリと頬を掻いて苦笑するリエート卿に、兄は怪訝な表情を浮かべる。