お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
野外研修
ここで更に黙秘すれば、神殿が調査や監視を始めるかもしれない。
そうなると、ルーシーさんになかなか会えなくなる……せっかく同じ前世持ちの仲間を見つけたというのに、それは悲しい……。
何より、ルーシーさんの未来予知が公になる可能性を上げてしまうかもしれない。
だって、シナリオ通りの行動を心掛ける彼女はちょっと不自然だから。
勘のいい人なら、きっと違和感を抱く筈……。
もちろん、直ぐに『未来を知っているんだ!』と気づくことはないと思うけど、そんなの時間の問題。
ルーシーさんの今後を考えると、バレるリスクは減らしておくべきよね。
少なくとも、本人は公になることを望んでいないのだから。
『上手く立ち回りましょう』と決心し、私はサンストーンの瞳を真っ直ぐ見つめ返した。
と同時に、自身の顎を人差し指でツンッと突く。
「大まかに言うと、野外研修のことですかね?」
「野外研修?」
「ええ。『山の中って、危険がいっぱいだよね〜!』と話していたんです」
後ろめたい気持ちを何とか押し殺しながら、私はそう述べた。
そうなると、ルーシーさんになかなか会えなくなる……せっかく同じ前世持ちの仲間を見つけたというのに、それは悲しい……。
何より、ルーシーさんの未来予知が公になる可能性を上げてしまうかもしれない。
だって、シナリオ通りの行動を心掛ける彼女はちょっと不自然だから。
勘のいい人なら、きっと違和感を抱く筈……。
もちろん、直ぐに『未来を知っているんだ!』と気づくことはないと思うけど、そんなの時間の問題。
ルーシーさんの今後を考えると、バレるリスクは減らしておくべきよね。
少なくとも、本人は公になることを望んでいないのだから。
『上手く立ち回りましょう』と決心し、私はサンストーンの瞳を真っ直ぐ見つめ返した。
と同時に、自身の顎を人差し指でツンッと突く。
「大まかに言うと、野外研修のことですかね?」
「野外研修?」
「ええ。『山の中って、危険がいっぱいだよね〜!』と話していたんです」
後ろめたい気持ちを何とか押し殺しながら、私はそう述べた。