お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
『やっぱり追加注文なんて、厚かましかったか?』と悩みつつ、私は声を振り絞る。
「い、いや……!もう逃げちゃったかもしれないですけど、さっきまで外に居て……!自作自演の件も、依頼者の男性と実行犯の男性が話しているのを聞いて、知ってしまったというか……!」
しどろもどろになりながらも色々補足すると、ニクスが『はぁー……』と深い溜め息を零した。
かと思えば、
「それを早く言え、大馬鹿者!」
と叫んで、荷馬車の扉を蹴破る。
「行くぞ、リエート!」
「お、おう!」
ハッとしたように頷きながら、リエートは剣を抜いた。
そしてニクスよりも先に外へ出ると、『おい、待て!』と怒号を上げる。
恐らく、まだ依頼者の男性が居たのだろう。
で、今まさに逃げられそうになっている、と。
「チッ……!足は止めてやる!さっさと連れ戻してこい!」
ニクスは蹴破った扉から顔だけ出し、そう叫んだ。
と同時に、リエートのものじゃない男性の悲鳴が木霊する。
続いて、何かが倒れる音や割れる音が鳴り響くものの……すぐ静かになった。
「い、いや……!もう逃げちゃったかもしれないですけど、さっきまで外に居て……!自作自演の件も、依頼者の男性と実行犯の男性が話しているのを聞いて、知ってしまったというか……!」
しどろもどろになりながらも色々補足すると、ニクスが『はぁー……』と深い溜め息を零した。
かと思えば、
「それを早く言え、大馬鹿者!」
と叫んで、荷馬車の扉を蹴破る。
「行くぞ、リエート!」
「お、おう!」
ハッとしたように頷きながら、リエートは剣を抜いた。
そしてニクスよりも先に外へ出ると、『おい、待て!』と怒号を上げる。
恐らく、まだ依頼者の男性が居たのだろう。
で、今まさに逃げられそうになっている、と。
「チッ……!足は止めてやる!さっさと連れ戻してこい!」
ニクスは蹴破った扉から顔だけ出し、そう叫んだ。
と同時に、リエートのものじゃない男性の悲鳴が木霊する。
続いて、何かが倒れる音や割れる音が鳴り響くものの……すぐ静かになった。