お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
このお人好しの悪役令嬢は、きっといくら頑張っても悪役になり切れない。
そう確信しながら、私はゆっくりと立ち上がった。
「大丈夫。今はもう落ち着いているから。心配してくれて、その……ありがとね」
少し照れながらもお礼を言い、私はタンザナイトの瞳を見つめ返す。
すると、リディアが嬉しそうに微笑んだ。
「いえ、そんな……出過ぎた真似をしてしまい、申し訳ございません。でも、辛くなったらいつでも言ってくださいね。私が壁になります」
『身長は高めですので』と述べ、リディアは少し胸を張る。
『ルーシーさんの視界から、完璧に相手を隠してみせる』と意気込む彼女を他所に、リエートが戻ってきた。
────主犯格の男性を引き摺って。
「ほら、こいつ。見覚え、あるか?」
そう言って気絶した男性の上半身を荷台に乗せ、リエートはこちらの反応を窺う。
私が少しでも怖がったら下ろすつもりなのか、男性の首根っこを掴んでいた。
『なんか、子猫の持ち方みたいだな……』と思いつつ、私はじっと主犯格の男性の顔を見つめる。
そう確信しながら、私はゆっくりと立ち上がった。
「大丈夫。今はもう落ち着いているから。心配してくれて、その……ありがとね」
少し照れながらもお礼を言い、私はタンザナイトの瞳を見つめ返す。
すると、リディアが嬉しそうに微笑んだ。
「いえ、そんな……出過ぎた真似をしてしまい、申し訳ございません。でも、辛くなったらいつでも言ってくださいね。私が壁になります」
『身長は高めですので』と述べ、リディアは少し胸を張る。
『ルーシーさんの視界から、完璧に相手を隠してみせる』と意気込む彼女を他所に、リエートが戻ってきた。
────主犯格の男性を引き摺って。
「ほら、こいつ。見覚え、あるか?」
そう言って気絶した男性の上半身を荷台に乗せ、リエートはこちらの反応を窺う。
私が少しでも怖がったら下ろすつもりなのか、男性の首根っこを掴んでいた。
『なんか、子猫の持ち方みたいだな……』と思いつつ、私はじっと主犯格の男性の顔を見つめる。