お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
「まあ、奇想天外・神出鬼没の魔王も充分厄介なんだけど……あのリディアと対面するよりは、全然マシ。だって、勝率10%以下だよ?」
『マシで強すぎ』と零し、ルーシーさんはどこか遠い目をする。
そのリディアにコテンパンに叩きのめされた時のことでも、思い出しているようだ。
『あんなん無理ゲーだわ』とボヤきつつ、彼女は目頭を押さえる。
「結局、公式から何のアクションもなかったから強さの理由は分からずじまいなんだけど、ファンの間では『ギフト関係じゃね?』って噂になっている。ほら、リディアって────五つもギフトを持っているからさ」
「えっ?五つ?」
反射的に聞き返してしまう私は、目を剥いて固まった。
何故なら、私が持っているギフトの数は────四つだから。
ニコラス大司教にもハッキリとそう言われたため、間違いない筈。
『マシで強すぎ』と零し、ルーシーさんはどこか遠い目をする。
そのリディアにコテンパンに叩きのめされた時のことでも、思い出しているようだ。
『あんなん無理ゲーだわ』とボヤきつつ、彼女は目頭を押さえる。
「結局、公式から何のアクションもなかったから強さの理由は分からずじまいなんだけど、ファンの間では『ギフト関係じゃね?』って噂になっている。ほら、リディアって────五つもギフトを持っているからさ」
「えっ?五つ?」
反射的に聞き返してしまう私は、目を剥いて固まった。
何故なら、私が持っているギフトの数は────四つだから。
ニコラス大司教にもハッキリとそう言われたため、間違いない筈。