お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
「その後のことは状況を見ながら、各々判断してください。もちろん、作戦を立てることが出来るならそれに越したことはありませんが……場合によっては、突発的に事を進めなければなりません。いつでも、動ける準備だけしておいてください」
一瞬たりとも気を抜かぬよう注意し、ルーシーさんはこちらに目を向けた。
恐らく、『一番気を張っていないといけないのはリディアだ』と言いたいのだろう。
どことなく不安そうな眼差しを前に、私は笑って頷く。
『心配いらないよ』と示すように。
きっと、ルーシーさんは罪悪感のようなものを抱いているんだわ。
囮作戦を言い出したのは、彼女だから。
と言っても、囮役は当初自分でやる予定だったみたいだけど。
それに反対したのは、私。
だって、野外研修の件で少なからず怖い思いをしたルーシーさんに『また攫われろ』なんて……そんなの酷すぎるもの。
一瞬たりとも気を抜かぬよう注意し、ルーシーさんはこちらに目を向けた。
恐らく、『一番気を張っていないといけないのはリディアだ』と言いたいのだろう。
どことなく不安そうな眼差しを前に、私は笑って頷く。
『心配いらないよ』と示すように。
きっと、ルーシーさんは罪悪感のようなものを抱いているんだわ。
囮作戦を言い出したのは、彼女だから。
と言っても、囮役は当初自分でやる予定だったみたいだけど。
それに反対したのは、私。
だって、野外研修の件で少なからず怖い思いをしたルーシーさんに『また攫われろ』なんて……そんなの酷すぎるもの。