お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
今がチャンス……!
すかさずアガレスを蹴り飛ばし、私は急いで距離を取った。
『なん……なん!?』と驚愕する学園長を他所に、私は直ぐさま兄の姿を思い浮かべる。
アガレスの特徴はバッチリ掴んだ。
ここは一旦引きましょう。
『無茶するような場面じゃない』と割り切り、私はマーキングでゲートを開いた。
と同時に、飛び込む────筈が、何故か弾かれる。
それどころか、ゲートが消滅してしまった。
世界の理の揺り返しが大きいとはいえ、あまりにも早すぎる。
まるで、誰かに破壊されたような……?
『一体、どういうこと……?』と目を白黒させる中、背後で人の動く気配がした。
「いやはや、驚きました。まさか、ここまで戦える方だったとは……魔法の才能に恵まれているのは知っていましたが、土壇場でこれほど動けるとなると相当鍛錬を積まれているのでしょう」
『少々見くびっていた』と主張し、学園長はそろそろと立ち上がる。
本能的にゲートを壊したのは、この人だと確信した。
すかさずアガレスを蹴り飛ばし、私は急いで距離を取った。
『なん……なん!?』と驚愕する学園長を他所に、私は直ぐさま兄の姿を思い浮かべる。
アガレスの特徴はバッチリ掴んだ。
ここは一旦引きましょう。
『無茶するような場面じゃない』と割り切り、私はマーキングでゲートを開いた。
と同時に、飛び込む────筈が、何故か弾かれる。
それどころか、ゲートが消滅してしまった。
世界の理の揺り返しが大きいとはいえ、あまりにも早すぎる。
まるで、誰かに破壊されたような……?
『一体、どういうこと……?』と目を白黒させる中、背後で人の動く気配がした。
「いやはや、驚きました。まさか、ここまで戦える方だったとは……魔法の才能に恵まれているのは知っていましたが、土壇場でこれほど動けるとなると相当鍛錬を積まれているのでしょう」
『少々見くびっていた』と主張し、学園長はそろそろと立ち上がる。
本能的にゲートを壊したのは、この人だと確信した。