お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
『物凄く手間が掛かりそうだ』と辟易し、僕は資料を一瞥する。
「まあ、なんにせよ────これで終わりだ」
こちらへ……というかリディアへ突進してきたアガレスを見据え、僕はパチンッと指を鳴らした。
刹那────奴の体は内側から、凍っていく。
先程、食べた氷を一旦冷気に変えて再度固めたのだが……上手くいったようだな。
この手の魔術はあまり使わないため内心不安だったものの、無事成功して安堵する。
『このまま、心臓まで凍らせよう』と考える中、アガレスはガクンと膝をついた。
恐らく、凍傷の影響で上手く体を動かせなくなったのだろう。
立っているのもままならない程度には。
「め、し……」
体の痛みよりも空腹が勝っているのか、アガレスは尚も食事を要求する。
────と、ここでリディアがポケットを漁り始めた。
「まあ、なんにせよ────これで終わりだ」
こちらへ……というかリディアへ突進してきたアガレスを見据え、僕はパチンッと指を鳴らした。
刹那────奴の体は内側から、凍っていく。
先程、食べた氷を一旦冷気に変えて再度固めたのだが……上手くいったようだな。
この手の魔術はあまり使わないため内心不安だったものの、無事成功して安堵する。
『このまま、心臓まで凍らせよう』と考える中、アガレスはガクンと膝をついた。
恐らく、凍傷の影響で上手く体を動かせなくなったのだろう。
立っているのもままならない程度には。
「め、し……」
体の痛みよりも空腹が勝っているのか、アガレスは尚も食事を要求する。
────と、ここでリディアがポケットを漁り始めた。