お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
「僕ですら、あ〜んなんてしてもらったことないのに、こいつ……」
別の意味で怒りが湧いてきた僕は、眉間に皺を寄せる。
と同時に、横を向いた。
「リディア、貸せ。僕が口に放り込む」
「えっ?」
今まさに奴の口へ……というか舌へチョコを置いてしまったリディアは、パチパチと瞬きを繰り返す。
『えっと……』と口篭りながら、とりあえず手を下ろした。
アガレスの口内にあるチョコと僕の顔を見比べ、彼女は『どうしましょう……?』と困り果てる。
「ごめんなさい、チョコはこれしか持ってなくて……」
申し訳なさそうに身を竦め、リディアは『お兄様も食べさせてあげたかったんですね』と零した。
とんでもない勘違いを引き起こす彼女の前で、僕は頭を抱える。
別の意味で怒りが湧いてきた僕は、眉間に皺を寄せる。
と同時に、横を向いた。
「リディア、貸せ。僕が口に放り込む」
「えっ?」
今まさに奴の口へ……というか舌へチョコを置いてしまったリディアは、パチパチと瞬きを繰り返す。
『えっと……』と口篭りながら、とりあえず手を下ろした。
アガレスの口内にあるチョコと僕の顔を見比べ、彼女は『どうしましょう……?』と困り果てる。
「ごめんなさい、チョコはこれしか持ってなくて……」
申し訳なさそうに身を竦め、リディアは『お兄様も食べさせてあげたかったんですね』と零した。
とんでもない勘違いを引き起こす彼女の前で、僕は頭を抱える。