お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
「ちょっと!聞いてらっしゃるの!?」
耳元で大声を出し、アマンダは『しっかりして下さる!?』と喚く。
「もう……!何で人の話も聞けない貴方が、ヒロイン役なのよ!明らかに不釣り合いではなくて!?」
「……」
それは私が一番分かっている。ただのモブだった私に、こんな大役務まらないって。
「リディア様の方が、余程ヒロイン役に相応しいわ!ただの平民の貴方なんかより、ずっとね!」
「っ……」
今までずっと感じていたことを指摘され、私は思わず顔を歪めた。
胸の奥がズシリと重くなり、息をするのも苦しくなる。
……時々思うことがある。
本当は私が悪役で、あの子がヒロイン役になる筈だったんじゃないかって。
だって、そうじゃないとおかしいもん。ガチで配役ミスじゃん。
でもさ────
「あら、出しゃばったことをした自覚はおありなのね?良かったわ!」
黙りこくる私を見て、アマンダは高笑いした。
『分かればいいのよ』とでも言うように。
耳元で大声を出し、アマンダは『しっかりして下さる!?』と喚く。
「もう……!何で人の話も聞けない貴方が、ヒロイン役なのよ!明らかに不釣り合いではなくて!?」
「……」
それは私が一番分かっている。ただのモブだった私に、こんな大役務まらないって。
「リディア様の方が、余程ヒロイン役に相応しいわ!ただの平民の貴方なんかより、ずっとね!」
「っ……」
今までずっと感じていたことを指摘され、私は思わず顔を歪めた。
胸の奥がズシリと重くなり、息をするのも苦しくなる。
……時々思うことがある。
本当は私が悪役で、あの子がヒロイン役になる筈だったんじゃないかって。
だって、そうじゃないとおかしいもん。ガチで配役ミスじゃん。
でもさ────
「あら、出しゃばったことをした自覚はおありなのね?良かったわ!」
黙りこくる私を見て、アマンダは高笑いした。
『分かればいいのよ』とでも言うように。