お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
学園祭当日
◇◆◇◆
────準備期間に入ってから、早一ヶ月。
多少のトラブルはありつつも、何とか満足のいく出来に仕上がり、あとは本番を待つのみとなった。
ふぅ……ちょっと緊張してきたわね。
あれだけ練習したんだから大丈夫だと思うけど、本番でミスしないか心配だわ。
学園祭の開会式を終え、早速衣装に着替えた私は戦々恐々とする。
出番もセリフも少ない役とはいえ、不安は尽きないから。
『ちゃんと出来るかしら?』と嘆息し、私は仮面をじっと見つめた。
────と、ここでピンクのドレスに身を包むルーシーさんが現れる。
「リディア、貴方のご両親最前列に居るよ。ついでにニクスとリエートも」
『ほら』と言って舞台袖から手前側を指さし、ルーシーさんは肩を竦めた。
「相変わらず、愛されているね」
呆れ半分に溜め息を零し、ルーシーさんはスッと目を細める。
「大人組は今日のために頑張って、予定を空けてきたらしいよ」
「えっ?」
思わず声を上げる私に、ルーシーさんは悪戯っぽく笑った。
かと思えば、『あっ、これは秘密にしてね』と耳打ちしてくる。
どうやら、極秘事項だったらしい。
────準備期間に入ってから、早一ヶ月。
多少のトラブルはありつつも、何とか満足のいく出来に仕上がり、あとは本番を待つのみとなった。
ふぅ……ちょっと緊張してきたわね。
あれだけ練習したんだから大丈夫だと思うけど、本番でミスしないか心配だわ。
学園祭の開会式を終え、早速衣装に着替えた私は戦々恐々とする。
出番もセリフも少ない役とはいえ、不安は尽きないから。
『ちゃんと出来るかしら?』と嘆息し、私は仮面をじっと見つめた。
────と、ここでピンクのドレスに身を包むルーシーさんが現れる。
「リディア、貴方のご両親最前列に居るよ。ついでにニクスとリエートも」
『ほら』と言って舞台袖から手前側を指さし、ルーシーさんは肩を竦めた。
「相変わらず、愛されているね」
呆れ半分に溜め息を零し、ルーシーさんはスッと目を細める。
「大人組は今日のために頑張って、予定を空けてきたらしいよ」
「えっ?」
思わず声を上げる私に、ルーシーさんは悪戯っぽく笑った。
かと思えば、『あっ、これは秘密にしてね』と耳打ちしてくる。
どうやら、極秘事項だったらしい。