お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
「で、そういうお前はどうなんだ?」
『こっちはここまで喋ったんだから、お前も吐け』と主張し、ニクスは眼鏡を押し上げる。
完全に尋問モードへ移行していく幼馴染みの前で、俺は手元に視線を落とした。
彼女よりずっと大きくて不格好な手を見つめ、顔を歪める。
「俺は……」
────改めて、自分に問う。
これから、どうしたいのか。
まず、ちゃんと真相を確かめたい。
たとえ、それが俺や周りを傷つけるものだったとしても。
逃げずに受け止めたいんだ。
そうしないと、俺もあいつも皆も前に進めないから。
そこから先のことは……正直、まだ分からない。
ただ、リディアと縁を切って無関係になりたいとか、泣くまで責めたいとかは思わなかった。
『あいつには、ずっと笑顔で居てほしいし……』と考える中、俺はふとデビュタントパーティーのことを思い出す。
『こっちはここまで喋ったんだから、お前も吐け』と主張し、ニクスは眼鏡を押し上げる。
完全に尋問モードへ移行していく幼馴染みの前で、俺は手元に視線を落とした。
彼女よりずっと大きくて不格好な手を見つめ、顔を歪める。
「俺は……」
────改めて、自分に問う。
これから、どうしたいのか。
まず、ちゃんと真相を確かめたい。
たとえ、それが俺や周りを傷つけるものだったとしても。
逃げずに受け止めたいんだ。
そうしないと、俺もあいつも皆も前に進めないから。
そこから先のことは……正直、まだ分からない。
ただ、リディアと縁を切って無関係になりたいとか、泣くまで責めたいとかは思わなかった。
『あいつには、ずっと笑顔で居てほしいし……』と考える中、俺はふとデビュタントパーティーのことを思い出す。