お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
「確かに僕達はずっと騙されてきたかもしれない。でも、それには必ず事情があると思っている」
「何より、リディアの取ってきた言動が全て嘘だとは思えないからな」
左右に分かれてグルッと長テーブルを回ってきた二人は、こちらまでやってくる。
そしてポンッと私の頭や肩に手を置き、後ろから顔を覗き込んできた。
「「僕達は僕達の見てきたリディアを信じたい」」
「っ……!」
約十年、皆を欺いてきた。
リディア・ルース・グレンジャーの人生を歩んできた。赤の他人である私が。
それなのに、いいのだろうか?許されて……変わらず、接してもらって。
「何より、リディアの取ってきた言動が全て嘘だとは思えないからな」
左右に分かれてグルッと長テーブルを回ってきた二人は、こちらまでやってくる。
そしてポンッと私の頭や肩に手を置き、後ろから顔を覗き込んできた。
「「僕達は僕達の見てきたリディアを信じたい」」
「っ……!」
約十年、皆を欺いてきた。
リディア・ルース・グレンジャーの人生を歩んできた。赤の他人である私が。
それなのに、いいのだろうか?許されて……変わらず、接してもらって。