お人好しの悪役令嬢は悪役になりきれない
憑依の謎
疑似恋愛のゲームということで、レーヴェン殿下は『誰が好きなの?』と質問を投げ掛けてきた。
その途端、兄とリエート卿が顔を上げる。
興味津々といった様子の彼らを前に、私とルーシーさんは顔を見合わせた。
「えっと、私は箱推し……じゃなくて全員のファンだったから、一人には絞れないかも」
「私はプレイする前に亡くなってしまったので、何とも……あっ、でもお三方とも格好いいなとは思っていました」
『パッケージイラストが本当に素敵で』と語ると、三人は少しばかり表情を緩めた。
外見を褒められるのは、悪い気がしないらしい。
『見る目がある』と満足そうな彼らを他所に、ノクターン皇帝陛下はチラリとこちらを見つめる。
「ところで、本物のリディア嬢は悪役令嬢という配役だったらしいが、何故ルーシー嬢を……ヒロインを虐げるようになったんだ?」
『そんな必要はないと思うが……』と頭を捻り、ノクターン皇帝陛下は不思議そうな表情を浮かべた。
身分も外見も能力も優れているリディアが、何故そうまでしてヒロインを排除しようとしたのか分からないのだろう。
『危害を加えられた訳じゃ、あるまいし……』と戸惑う彼に対し、ルーシーさんは曖昧に微笑んだ。
その途端、兄とリエート卿が顔を上げる。
興味津々といった様子の彼らを前に、私とルーシーさんは顔を見合わせた。
「えっと、私は箱推し……じゃなくて全員のファンだったから、一人には絞れないかも」
「私はプレイする前に亡くなってしまったので、何とも……あっ、でもお三方とも格好いいなとは思っていました」
『パッケージイラストが本当に素敵で』と語ると、三人は少しばかり表情を緩めた。
外見を褒められるのは、悪い気がしないらしい。
『見る目がある』と満足そうな彼らを他所に、ノクターン皇帝陛下はチラリとこちらを見つめる。
「ところで、本物のリディア嬢は悪役令嬢という配役だったらしいが、何故ルーシー嬢を……ヒロインを虐げるようになったんだ?」
『そんな必要はないと思うが……』と頭を捻り、ノクターン皇帝陛下は不思議そうな表情を浮かべた。
身分も外見も能力も優れているリディアが、何故そうまでしてヒロインを排除しようとしたのか分からないのだろう。
『危害を加えられた訳じゃ、あるまいし……』と戸惑う彼に対し、ルーシーさんは曖昧に微笑んだ。